前のカード <「愚者」のカードにおける数秘・図像を含めた意味と解釈 > 次のカード
愚者のカードの概要
大アルカナのカードの人物カードの中で、唯一、首の傾きや着ている衣服が整っていない印象を受けます。
それは壊れた人形のようにも見えて、既存の常識の世界にいる人ではなさそうなイメージです。
この愚者を、常識の世界にいる人間からみたら、あまり関わりたくない人に感じるかもしれません。
でも、愚者のいる、常識の外の世界から見ると、常識の世界こそが奇異に見えて、そこに縛られている社会や人々(そこにいた自分も含めて)に対して不自由さを感じてしまうのではないでしょうか。
愚者は、自分や社会が持っている常識や、それに囚われている自分から自由になることを表現しているカードと言えるかと思います。
正位置
何にも所属していないこと、自由であること。
常識を覆す。
逆位置
無計画、動き出したいが動けない、傍観者、無意味。
愚者のカードに割り当てられた数字の解釈
愚者に割り当てられている数字は「0」(ゼロ)です。
0は、円に似ていて、それは囲い(世界)を示し、私たちが囲いの中に住んでいることを表しています。
とはいっても、もともと愚者のカードには数字がついていない場合が多かった、とのこと。
所属する数字がないから、所属先がない→自由である、という解釈ができそうです。
愚者は、囲いの中と外とを行き来する人で、カードが正位置として展開された場合には囲いの外に出ることを指します。
囲いの外に出ることは、その囲いの中にあった価値観や意義や楽しみなどを失うことも意味します。
愚者のカード:図像の解釈
カードには様々な絵柄が描かれています。絵柄が置かれている位置によってメッセージを伝えていると考えられています。
愚者の向いている方向:
解放を示す右側を向いて、今の世界から出ようとしていることを伺えます。
杖:
今ある土台(私生活)から、解放される方向に向かっていることを指しています。
犬と剥き出しの肌:
保守的な領域を示す位置にいて、知識レベルでの警戒を表しています。
犬は、愚者の肌が露出している部分(カードの中心)に触れており、愚者の剥き出しの本心が出ることで、社会的な対面を傷つけられる意味も示しています。
袋:
この世界で活動した体験のエッセンス。
袋に付けられている棒はインスピレーションの位置に伸びているので、直感的な知恵を表しています。
参考文献: